学校長挨拶
学校長 松尾嘉禮
『学んで思わざれば則ち罔(くら)し
思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し』
本を読んだり人から教えてもらったりしても考えなければ身につきません。また、考えただけで学ぶ努力をしないと失敗します。看護は実践の科学です。
これからは在宅医療等、看護師の判断に委ねられる部門が増えてくる中、本校は十全総合病院のスタッフと学校の教員が一丸となって現場で考える看護を指導しています。これからの医療、看護を支えるべく知力・体力・気力のある人材を広く求めています。
沿革
昭和47年9月18日 | 十全高等看護学院(2年課程定時制)として発足(定員:1学年15名) |
昭和53年4月1日 | 専修学校法制定にともない専修学校(専門課程看護科)となる。 財団法人積善会十全看護専門学校と校名変更。 |
昭和60年3月30日 | 2年課程廃止。 |
昭和60年4月1日 | 3年課程に変更(定員:1学年15名) |
平成2年4月1日 | 定員を1学年30名に増員。 |
平成25年4月1日 | 公益法人制度改革に伴い、一般財団法人積善会十全看護専門学校と校名変更。 現在に至る。 |
教育理念
教育にあたっては、学生一人ひとりの個を尊重し、学ぶ喜びを学生と教員が相互に共有できるよう働きかけ、広く科学的視野に基づき、さまざまな状況に対応できる基礎的能力を養うことを目指している。
教育目的
- 1)対象となる人を、身体的・精神的・社会的・文化的側面から多角的に捉え理解する能力を養う。
- 2)様々な健康状態にある人の看護を、その変化に応じて実践できる基礎的能力を養う。
- 3)科学的根拠に基づいた看護の実践に必要な臨床判断を行うための基礎的能力を養う。
- 4)対象となる人との信頼関係を構築するコミュニケーション能力を養う。
- 5)対象となる人の価値観や信条、権利・尊厳を尊重した看護を実践する基礎的能力を養う。
- 6)保健・医療・福祉システムにおける看護の役割を理解し、多職種と連携・恊働して、看護を提供する基礎的能力を養う。
- 7)看護に対する探求心を持って学び、自己の能力向上を目指す基礎的能力を養う。
教育内容
入学・卒業状況
【過去の志願者数・合格者数・入学者数の推移】
年 | 志願者数(人) | 合格者数(人) | 入学者数(人) |
2018 | 41 | 34 | 27 |
2019 | 39 | 39 | 28 |
2020 | 38 | 37 | 30 |
2021 | 32 | 29 | 23 |
2022 | 46 | 32 | 29 |
2023 | 21 | 21 | 21 |
【過去の卒業者数・国家試験合格率】 毎年、全国合格率を上回る合格率です。
年 | 卒業者数(人) | 全国合格率(%) | 本校合格率(%) |
2018 | 29 | 91.0 | 100 |
2019 | 31 | 89.3 | 96.8 |
2020 | 30 | 89.2 | 96.7 |
2021 | 27 | 90.4 | 96.3 |
2022 | 26 | 91.3 | 100 |
2023 | 29 | 90.8 | 96.6 |
卒業後の進路 希望施設への就職率100%!!
今年も、全員が希望どおりの就職を果たし、市内の実習施設や、地元の病院等、県内就職率は、89%。
何よりの地域貢献になりました。
就職先について、詳しくは以下の通り。表中の 赤文字(人)は、今年の就職を示します。
【主な就職・進学先】
就職 | 県内 | 市内 | 十全総合病院 (10)・住友別子病院(5)・愛媛県立新居浜病院(1) 十全ユリノキ病院・愛媛労災病院・新居浜恊立病院 他 |
東予 | 西条中央病院(3)・済生会西条病院(1) 愛媛県立今治病院・済生会今治病院・西条市立周桑病院・村上記念病院・四国中央病院・HITO病院 他 |
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中予 | 愛媛大学医学部付属病院(2)・愛媛県立中央病院(1)・南松山病院(1)・四国がんセンター(1) 松山赤十字病院・国立病院機構愛媛医療センター・道後温泉病院・十全医療学院付属病院 他 |
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県 外 |
国立病院機構四国おとなとこどもの医療センター(1)・藍野病院(1) 三豊総合病院・国立病院機構高松医療センター・倉敷中央病院・大阪医療センター・大阪医科大学付属病院・淀川キリスト教病院・大阪労災病院・千葉中央メディカルセンター・武蔵野赤十字病院・東京都健康長寿医療センター 他 |
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進 学 |
愛媛大学医学部看護学科・愛媛県立医療技術大学・福岡水巻看護助産学校助産学科・聖マリア学院大学・聖バルナバ助産師学院・大阪市立助産師学院・藍野大学短期大学部・日本赤十字広島看護大学・富山県立総合衛生学院助産学科
他 |
進学は、看護大学(3年次)への編入学や、保健師学校、助産師学校への進学があります。
また、看護師として3〜5年の臨床経験の後、臨床指導者や看護教員として、教育に携わる道もあります。
【卒業生紹介】
生活習慣病を患う祖父母が老々介護をしているのを見て、「何か手助けになりたい」 と伝えたところとても喜んでもらえたことが嬉しく看護師になりたいと考えるようになりました。
3年という短い期間で資格取得を目指すのですが、計画的に学べるカリキュラムと丁寧に指導してくださる先生方のおかげで安心して学べました。そして、実習などの実践を経験するなかで「自ら気づき、考え、動く」積極性も身につけることができました。
現在、新居浜市役所で保健師として勤務し、65歳以上の方を対象に介護が必要な状態になることを予防し、「自立した自分らしい生活」を送っていただくためのサポートをしています。介護予防についての新しい施策の検討をはじめ、すでに実施しているサポートの問題解決のために、対象となる地域に出向いて対話を重ねています。最初の内は「どうしたらいいのか」と悩むことも多かったのですが、対話を重ねていく中で信頼関係を築き「相談してよかった」 と明るい表情で言っていただけるようになり、やりがいを感じています。
小学生の時に、帯状疱疹を発症し病院へ。お世話を通して治療への不安を解消して下さった方が男性の看護師でした。その姿に感動し、誰かの力になれる看護と言う仕事に関心を持つようになりました。
十全看護専門学校では、隣接する実習病院で多くの実習を経験。看護師として、「人を見る力」を養うことが出来ました。先生だけでなく、先輩たちも積極的に教えて下さる校風で、皆で成長している実感のある学校です。
現在、大阪医療センターで手術室看護師として勤務。手術中、医師に機械器具を手渡す「器械出し」を担当。術前には様々な職種のスタッフとカンファレンスを行います。医師毎、手術毎に必要な器械を準備するのも手術室看護師の仕事です。
手術前後には、病室を訪ねて、患者さんの体調を確認します。「会話のおかげで落ち着くことが出来ました」という患者さんの言葉に、やりがいを感じています。
私は4月に愛媛大学医学部付属病院に就職しました。
病棟で働く中で、十全で学んだことは自分のためになっていることを日々感じています。実習など苦しいこともあると思いますが、自分の糧になることを忘れず、体調に気を付けて頑張ってください。
場所は違っても、皆さんと看護師として働けることを楽しみにしています。
十全看護専門学校に在学中に、保健師の仕事を知り興味を持ちました。保健センターの実習で、健康を支える保健師の仕事を経験し目標となりました。
大学は自分で学ぶ姿勢が求められます。十全看護では、自ら気づき、考え、動く積極性を指導されました。それが今、大学生活で活かされています。
大学生活を楽しみながら、保健師への勉強を頑張りたいです。
高校生の頃から保健師に興味があり、とりあえず看護師をめざして十全看護専門学校に入学。
臨床実習などを重ねていくうちにやはり保健師になりたい思いが強くなり、先生に相談したところ「頑張りなさい!」と強く背中を押してくれました。編入試験も上位でないと無理と諦めかけましたが、先生の心強いサポートのおかげで頑張ることができました。
高齢化する一方、小さい子どもがいる若いお母さんも多くなっている故郷に帰って、お年寄りや子ども、お母さんに寄り添える保健師になりたいです。
地域医療と急性期医療の懸け橋になりたいという思いで当校に入学した丸田さん。
現在は愛媛大学医学部附属病院に勤務。消化器内科と神経内科の混合病棟を担当し、日々勉強の毎日を送っている。
和泉さんは助産師など新たな未来の可能性を発見できる当校の環境に魅力を感じ入学。
卒業後看護師として就職後、キャリアップできる助産師を目指して助産師学校に進学し、助産師としても活躍しています。
看護師として就職後、実習生の指導を経験した八塚さん。
現在は看護教員資格を取得して、十全看護専門学校で頼れる先生として看護師育成に従事しています。